2010年7月12日月曜日

低節ピンチについての考察

うちで主に栽培してる品種はマリーベールです。

アルタイルやベール系に代表される、いわゆる21世紀系といわれる新品種のひとつです。

これらは、いままでの主力品種とはピンチの方法がだいぶ違います。

就農2年目のペーペーがペーペーなりに考えた、
ピンチに対する考え方をここに記してみたいと思います


1)高節NG! → 超低節でOK!
2)根張り
3)十分な土壌水分量
4)植物体の大きさ
5)頂芽優勢

上記の5項目が特に重要だと思われるものです


1)高節NG!
 なぜ、高節がダメかというのは4)、5)の項目につながります。
これらの品種は頂芽優勢が強いことから、植物体の頂点に養分が集まりやすい性質があると考えられます。高節でピンチした場合、その植物体の維持と、頂芽へ養分を使ってしまうため、低節部にある芽の発生が抑えられてしまうと考えられ、これによって、芽数が少なくなってしまいます。
 これに対し、低節でピンチをした場合、植物体のサイズが小さくなり、また頂芽も低い位置にあることから、ごく低い位置の芽も出てくると考えられます。実際にうちでは3節を基準に低節ピンチを行っています。その結果、地際からも芽が発生し、結果的に6本以上の芽が確保されています。

2)根張り
 実はこれが一番重要だと思います。根が張っていない場合、養分を十分に供給することが出来ず、その為、芽の発生が抑えられてしまいます。これは季咲やダブルピンチで芽数が多くなるのと同じ原理です。根が張っているからこそ、多くの芽が出せるのだと思います。

3)土壌水分量
 水分は多めの方が芽吹きはいいように感じます。が、多過ぎはやっぱりよくないかも。

4)植物体の大きさ
5)頂芽優勢
 1)の項目で説明した通りです

仮植して、2週間ぐらいすると、だいぶ苗も大きくなります。でも、大きく育った葉っぱは根っこがしっかりと張ってしまえば、もういりません。なので、ピンチをする際はプラグ苗だった頃の葉数までピンチしてしまいます。かなり切り詰めるので、思い切りが必要です。私自身は新規就農した身で、雪ん子のピンチは研修中に何回かやっただけなので、ピンチといえば低節ピンチ。なので、こういったことが出来ているのだと思います。去年などはプラグ直定していると勘違いされるほどでした。

それからピンチの時期ですが、うちでは作業の効率化を考え、すべて床ピンチをしています。ですが、根張りのことを考えると定植してしっかりと活着してからの方が、より多くの芽が出るのかもしれません。来年は圃場ピンチを試してみます。


21世紀系の品種はどれも芽の出し方に大差はないと思いますので、上記の考え方はマリーベール以外の品種でも使えるものだと考えています。

以上でした。


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